バイクで釣りに行けるとは、ずっと思っていなかったんです。

ロッドが積めない。タックルボックスが積めない。そもそも渓流に行くには険しい道があって、バイクじゃ無理だろうって。

でも、セローに乗り換えてから考えが変わりました。


セローと出会って4年、林道の先に気づいた

セロー225を買ったのは、4年くらい前のことです。前のバイクはネイキッドで、もっぱら舗装路しか走っていなかった。でも、「林道を走りたい」という気持ちが抑えられなくなってきて、中古のセローを探して買いました。

最初の1年はただ林道を走るだけで十分だったんです。舗装路とは全然違う、砂利道のグリップ感とか、深い森の中を抜けていく感じとか。それだけで楽しかった。

でも、あるとき林道の奥でふと川を見たんですよ。

地図には載っていない小さな渓流。人の気配が全くない。水がきれいで、岩の影から何かが走るのが見えた。

「ここで釣りができたら、最高じゃないか」

そう思ったんですが、そのときはタックルを持っていなかった。当たり前ですよね。バイクにロッドなんて積んでいなかったから。


パックロッドという存在を知らなかった

帰ってからネットで調べました。「バイク 釣り ロッド」で検索すると、出てくる出てくる。みんな考えることは同じで、パックロッドというものがあると知ったんです。

4ピース、5ピース、中にはもっと分割できるものまで。

「これだ」と思いました。

コンパクトに分解できて、バッグに入れられる。バイクに積めるサイズになる。それだけで釣行の幅が一気に広がる。

最初に買ったのはシマノのルアーマチック S60ULという4ピースのパックロッドでした。6フィートで、ウルトラライト。渓流でのトラウト釣りにちょうどいいアクション。

価格が6,000円くらいで、「本当に大丈夫か?」って思いましたよ。安すぎて。でも使ってみると、全然問題なかった。継ぎ目のガタつきもないし、感度もしっかりある。


最初の失敗——荷物の積み方がひどかった

ロッドは買った。リールも買った。ルアーも揃えた。問題は積み方でした。

最初はリュックに全部詰め込んで背負って走ったんです。林道は路面がデコボコだから、上半身がぐらぐら揺れる。重心が高くなって、バランスが難しい。

林道の下りで、一度コケそうになりました。

軽い転倒でケガはなかったんですが、これは危ないと思って方法を変えることにしました。体に荷物を背負うのは林道では危険だと気づいたのはそのときです。

タナックスのサイドバッグを買ったのはそれからすぐ。

MOTOFIZZシリーズのサイドバッグは、シートの横にベルトで固定するタイプ。体には何も背負わない。重心が下がって、林道でも安定感が全然違う。ロッドケースも余裕で入るし、着替えや食べ物も入る。


ヘルメットは妥協しなかった

バイクのギアで一番ケチってはいけないのはヘルメットだと思っています。特に林道は落枝があったり、急に段差があったりする。

最初はフルフェイスで林道に入っていたんですが、視界が狭くて林道の狭い区間では圧迫感があった。オフロードヘルメットに変えようと思ったのはそのためです。

SHOEI Hornet ADVを選んだのは、オフロードとオンロードの両方に対応しているデュアルパーパスヘルメットだからです。サンバイザーが内蔵されているので、林道から一般道に出たときに毎回バイザーを変える手間がない。

価格は高い。6万円くらいしました。妻に「ヘルメットに何万円も」って言われましたけど、林道ではヘルメットは命綱なので譲りませんでした。


秘密の渓流にたどり着いた日

装備が整ってから、もう一度あの林道に入りました。今度は出発前夜につりナビでヤマメの釣り方を確認した。スプーンの使い方、流し方の基本。「渓流のトラウトはこういう動かし方が効く」という情報を頭に入れてから行きました。

舗装が終わって、砂利道になって、木が道に覆いかぶさってくるところを抜けて。セローはこういう道がほんとうに得意で、軽くてトルクがあって、ここを走るために生まれたようなバイクです。

川の音が聞こえてきたのは林道に入ってから30分くらいしたころ。バイクを止めて、藪を5分ほど歩いたところに、あの渓流がありました。

釣り人の痕跡がない。

ラインを結んで、スプーンをつけて、一投目。

来ました。

ヤマメです。小さいけどきれいな魚体。こんな山の奥に魚がいるんだという感動と、バイクでここに来られたという達成感と、両方が一度に来た感じ。

釣れても釣れなくても、あの場所に立てたことだけで十分でした。


セロー×パックロッドの組み合わせはすごい

林道釣行を始めて気づいたのは、「車では入れない場所に入れる」という圧倒的なアドバンテージです。

道幅が50センチしかない場所でも、セローなら通れる。川まであと少しというところで車は止まってしまっても、バイクなら近づける。

もちろん危険もあります。林道は整備されていないから、突然道が崩れていることもある。単独で深い林道に入るのはリスクがある。スマホの電波が入らないこともある。

でも、それを含めて「林道バイク釣行」という体験は、普通の釣り旅行では絶対に得られないものだと思っています。

パックロッドとサイドバッグさえあれば、セローはもう最強の釣り車です。



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