アジングを始めたのは、キャンプ場の近くに港があって「せっかくだから竿でも出すか」という軽い気持ちでした。夜、テントを張り終えて、ハイゼットカーゴの後ろでコーヒーを飲んでいたら、堤防の常夜灯の下で何かがピチャッと跳ねたんです。あれが小さいアジの群れだと知ったのは、後になってからでした。
最初に買ったのはバス釣り用のライトロッド。「まあ使えるだろう」と思っていたんです。家にあったし、わざわざ専用を買うのもなあ、という気持ちでした。ところが実際に港でジグヘッドを投げてみたら、これがまったく面白くない。1gの重りがどこにあるのか、沈んでいるのか止まっているのか、手元に何も伝わってこない。当たりがあったのかゴミに引っかかったのかも分からなくて、ただ闇雲にリールを巻いているだけ。30分もしないうちに「これは違うな」と思いました。
その後に「アジング専用ロッド」をちゃんと買いました。これで解決すると思ったら、今度はリールがミスマッチ。手持ちの大きめのスピニングをそのまま付けたら、ロッドが軽すぎて全体のバランスがおかしい。重心が手元より前にあって、ずっと竿先がお辞儀している感覚で、長く振っていると手首が疲れる。結局リールも買い替えました。
最初からちゃんと揃えれば1万円台で収まったのに、間違えながら買ったら2万円以上かかりました。今だから言えますが、「家にあるもので代用」と「とりあえず安いの」を繰り返すのが、結局いちばん高くつく買い方でした。まぁ、その失敗があったから書けることもあるんですけどね。
アジングの基本:なぜ専用タックルが必要か
アジングは1〜3g前後の超軽量ジグヘッドを使います。この重さを感じ取れないと、当たりも分からないし釣りにならない。
ここがアジングの一番大事なところだと思っています。アジの当たりって、コンッという明確なものばかりじゃないんです。ふっと重さが消える「抜けアタリ」だったり、ラインがわずかに動くだけだったり、表現しづらい変化でしか出ないことが多い。その小さな変化を手元やラインで感じ取るために、感度が必要になる。だから「軽い重りの存在をどれだけ正確に感じられるか」が、そのままアジングの楽しさに直結します。
バス釣りやシーバス用ロッドは、このあたりの軽さに対応していないことがほとんど。だいたい7g以上のルアーを気持ちよく扱えるように作られているので、1gや2gを付けても竿先がほとんど曲がらない。重りの存在が手に届かないんです。おれが最初に失敗したのもまさにこれで、「ロッドは竿でしょ、何でも投げられるでしょ」と思っていたのが大間違いでした。専用ロッドの感度とは、文字通り「軽さを感じる能力」です。
最初に「ちゃんとしたアジングロッド」を買うのが、実は一番安い買い物でした。安物や代用品を試して、不満が出るたびに買い替えるのが結局いちばん遠回り。これはアジングに限らず、おれが釣りで何度も学んだことです。
入門タックルの考え方
ロッド
アジングロッドは6〜7フィート前後が使いやすい。1〜5gのジグヘッドに対応しているものを選ぶのが基本です。
長さで迷ったら、まずは6フィート前後を選んでおけば間違いないと思います。漁港の常夜灯周りって、足元から数メートル先にアジが浮いていることが多いので、そんなに遠くへ投げる必要がない。むしろ短い方が竿先の動きが見やすいし、手返しも早い。逆に7フィート以上は、広い港や少し遠くを探りたいときに効いてきます。最初の1本は取り回しを優先して短め、というのがおれの考えです。
初心者向けの価格帯で言えば、5,000〜15,000円くらいのものが入門に向いています。「高すぎず安すぎず」の中間くらいから始めるのが無難。安すぎると感度が低く、アジングの面白さが半分になります。これは脅しでも何でもなくて、おれが最初に代用ロッドで味わった「何も伝わってこない」あの感覚が、まさに感度の低さそのものだったわけです。かといって最初から3万円の高級ロッドを買う必要もない。続くかどうか分からないうちに高い買い物をして、もし合わなかったらもったいない。だから「ちゃんと感度が分かる最低ライン」として、おれは1万円前後を勧めています。これくらいから、アジの小さな当たりが手元に届きはじめます。
リール
番手は2000番か2500番あたりが定番。アジングはラインを細く使うことが多いので、小型スピニングリールが合っています。
ここでおれがやらかしたのが、リールの選び方でした。ロッドだけ専用にしても、リールが大きくて重いと全体のバランスが崩れる。軽いロッドには軽いリールを合わせて、はじめて「持っていて気持ちのいいタックル」になります。バランスが取れていると、竿を構えただけで重心が手元のあたりに乗って、長く振っていても疲れない。逆にここがズレていると、さっき書いたみたいに竿先がずっとお辞儀して、手首にじわじわ負担が来ます。夜の港で何時間も投げ続けるアジングだからこそ、この差は地味に効いてきます。
1〜2万円台のリールを最初から買うほうが、長く使えてコスパはいい。ただ最初の1本なら5,000〜10,000円台で十分です。番手の選び方で言うと、迷ったら2000番。細いラインを巻くアジングにはこの小ささがちょうどいいし、軽量ロッドとも合わせやすい。2500番でも問題ないけど、最初の1台ならおれは2000番を勧めます。手に取ったときの軽さが、そのまま釣りやすさになって返ってきますよ。
ライン・リーダー
アジングはPEラインか、エステルラインを使うことが多い。
- PE0.2〜0.4号:感度が高い。風に弱いのが難点
- エステル0.2〜0.4号:比重が重くジグヘッドの操作がしやすい。初心者向け
- フロロ0.8〜1号:扱いやすいが感度は落ちる
ラインの違いって最初は分かりにくいんですが、おれの感覚で言うと「沈み方」の差が一番大きい。PEは比重が軽いから水に浮き気味で、風が吹くとラインがふわっと流されてジグヘッドの位置が分からなくなる。これに最初は結構悩まされました。エステルはそれより重くて、軽いジグヘッドでもストンと素直に沈んでくれる。だから操作感がつかみやすくて、おれは初心者にはエステルを勧めています。ただしエステルは引っ張る力に弱くて、不意の大物や根掛かりでプチッと切れやすい。そこをリーダーで補ってあげる、という考え方です。
リーダーはフロロカーボン1〜2号を30〜50cm。どのラインを使ってもリーダーは必要です。なぜ必要かというと、メインのライン、特にエステルは細くて切れやすいので、結び目から先に少し丈夫なフロロをつないでクッション代わりにするんです。これがあるだけで、根ズレや急な引きで切れる頻度がぐっと減ります。最初は結束が面倒に感じるかもしれませんが、暗い港で何度かやれば手が覚えます。おれも最初はヘッドライトを口にくわえて四苦八苦していました。
ジグヘッド
最初は1〜2gを多めに用意すると迷いません。港内の表層〜中層を探るならこの重さで大体対応できます。
ジグヘッドは消耗品なので、ケチらず多めに持っていくのが正解です。根掛かりで失くしたり、フックが甘くなって交換したり、一晩でいくつか減ります。おれは1g、1.5g、2gを数個ずつ小さなケースに入れて持ち歩くようにしています。重さで何が変わるかというと「沈む速さ」です。軽いほどゆっくり沈んで表層をじっくり探れるけど、風や潮が効いていると流されて操作しづらい。重いほど早く沈んで深い場所を狙えるけど、その分アジに見切られやすくなる。だから「今日の風と狙うレンジ」で使い分ける。最初は1〜1.5gを基準にして、沈まなさすぎたら重く、流されすぎたら軽く、と微調整していくと感覚がつかめてきます。
フック形状はアジ専用を選ぶと刺さりがいい。アジの口って薄くて柔らかいので、専用フックは細軸で先端が鋭く作られていて、軽い当たりでもしっかり貫通してくれます。汎用のフックだと弾かれてバラすことが増える。地味なところですが、ここを専用にするだけで「乗らない」ストレスがかなり減りますよ。
やまちゃんが最終的に落ち着いたセッティング
あくまで参考ですが、今はこんな構成で夜の港を釣っています。3回買い替えた末に、ようやくここに落ち着きました。
- ロッド: アジング専用 6.5ft前後
- リール: 2000番スピニング
- ライン: エステル0.3号
- リーダー: フロロ1.5号 × 40cm
- ジグヘッド: 1〜1.5g でスタート
なぜこの組み合わせかというと、全部「軽さでつながっている」からです。軽いジグヘッドを感じるために感度の高い専用ロッド、そのロッドに合わせて軽い2000番リール、そして軽いジグヘッドを素直に沈めてくれるエステル。一つひとつが「軽量ジグヘッドをちゃんと操る」という同じ目的でそろっている。これがバランスの取れたタックルということなんだと、何度も失敗してやっと腹落ちしました。
実釣では、夜の電灯周り、潮通しの良い角、深くなっているワンド内をランガンしています。まず常夜灯の明暗の境目を撃つ。光の当たっている明るい側じゃなくて、その境目の暗い方にアジが潜んでいることが多いんです。次に堤防の角。潮がぶつかってヨレができる場所で、ベイトもアジも溜まりやすい。それでも反応がなければワンドの奥の少し深い場所へ移動する。一か所で粘りすぎず、足を使って探していくのがおれのスタイルです。まぁ、楽しけりゃいいよね、くらいの気持ちで歩き回っています。
夏〜秋が入門に向いている
アジングは周年できますが、初心者が始めやすいのは夏から秋です。
アジの回遊が増えて数が出やすい時期で、「ひとまず釣れる」という経験がしやすい。これが入門にとって何より大事だと思っています。最初の1回でまったく釣れないと、「自分には向いてないのかな」と心が折れてしまう。逆に、小さくても1匹手のひらに乗ると、急に楽しくなって続けたくなる。だから最初こそ、釣れやすい時期と場所を選んでほしいんです。
夏から秋は、夕涼みがてら港に立てる気候のよさもあります。キャンプの帰り、まだ少し明るいうちにポイントに入って、暗くなる頃に常夜灯がぽつぽつ点きはじめる。その時間帯にちょうどアジが回ってくることが多くて、おれの好きな時間です。寒くなってくると、アジは深場へ落ちて口を使わなくなり、当たりがぐっと減ります。真冬の繊細なアジングはそれはそれで面白いんですが、感度の見極めも難しくて、正直初心者にはしんどい。だから最初の1回は暖かい時期に行くのをおすすめします。まずは「釣れた」を味わって、それからじっくり腕を上げていけばいい。これは買って損なかった、と思える趣味になりますよ。
釣り具の買い方(ナチュラムの使い方)はこちらにも書いています。
アジングについてよく聞かれること
Q. アジングのロッドは何フィートがいいですか?
5〜7フィートが一般的です。おれが最初に買ったのは6フィート2インチの軽量ロッドで、今でも使っています。漁港の常夜灯周りなら6フィート前後が扱いやすい。サーフや広い港なら7フィート以上で遠投力を上げる選び方もあります。
Q. アジングのジグヘッドは何グラムを選べばいいですか?
状況によりますが、最初は1〜1.5gから始めるのが無難です。潮流が速い場所や深い場所では2〜3gが必要なこともあります。軽いほどアジに見切られにくいですが、重すぎると沈むのが早すぎてレンジキープが難しくなります。
Q. アジングとメバリングの道具は兼用できますか?
ある程度は兼用できます。同じUL(ウルトラライト)クラスのロッドを使う点で共通しています。ただしアジングはより繊細な釣りで、専用ロッドの方が感度が高い。入門段階では兼用できる汎用ロッドから始めて、釣り込んでから専用化するのが現実的です。
Q. アジングで釣れる時間帯はいつですか?
夜〜深夜が最も実績が高いです。常夜灯のある漁港では特に効果的で、光に集まるプランクトンを食べに来たアジが釣れます。おれは夕マズメから入って深夜まで釣るパターンが多いです。日中でも青物と一緒に回遊してくることはありますが、夜の方が断然釣りやすいです。
Q. アジングで使うワームはどれがいいですか?
小型のピンテールワームが定番です。1〜2インチの小さめサイズから始めるのが無難。色は夜なら白・クリア・ケイムラが実績高いです。おれはカラーより動かし方の方が釣果への影響が大きいと思っています。数種類買って試してみてください。